インシュアテックのトレンド:健康増進型保険とは?

「健康増進型保険」は、国内インシュアテック市場においてもっとも象徴的な保険商品の1つです。

2017年以降、各生命保険会社から続々と販売が開始していますが、そのブームの背景とは?

このページを読んでいただくことで、健康増進型保険の基礎から最新情報まで、大切なポイントをカンタンにおさえることができます。

うっちー
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そもそも「健康増進型保険」ってなに

健康増進型保険(けんこうぞうしんがたほけん)とは、その名の通り、“保険加入者の健康活動を促すような仕組みを持った保険商品”です。

主に、病気やケガを保障する医療保険の分野で、この仕組みを持つ保険商品が各社から続々と販売が開始しています。

具体的には、

“健康診断の結果を提出すると、保険料をキャッシュバック”

“歩いたら、その分保険料が安くなる”

“非喫煙者は、保険料が安くなる”

…といったキャッチコピーで顧客への訴求を行っていますが、その特徴は各保険会社によって少しずつ異なります。

従来、生命保険分野では、年齢・性別・病歴など、大まかな情報でしか保険料を決めることができませんでした。

しかし、「AI(人工知能)」と、「ビッグデータ」と呼ばれる膨大かつ複雑な情報を解析することにより、保険加入者ごとによって最適な個別の保険料を設定することが可能になりました。

また、スマートホンアプリ、腕時計型のウェアラブル端末から得られる保険加入者の健康活動・健康状態などの情報も保険料に反映することができる保険商品も登場するなど、健康増進型保険は、まさにテクノロジーを活用した次世代型の保険なのです。

【参考画像】東京海上日動あんしん生命「あるく保険」の加入者に貸し出されるウェアラブル端末・MISFIT FLARE(ミスフィット フレア)

2年目社員・あい
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「ウェアラブル(wearable)」とは、wear(着る)と、able(〜することができる)と書くので、“身に着けることができる”という意味ね。

健康増進型保険ブームの背景とは?

生命保険会社各社が、健康増進型保険を相次いで販売を開始しているそのウラ側には、日本の社会的な背景が大きく影響しています。

というのも、日本は、20年後に“国民の3人に1人が高齢者”になるとも言われており、いかに健康寿命を伸ばすかが社会的な課題となっています。

政府も「健康づくり・疾病等の予防への取組みが非常に重要である」と指摘。

そして、政府として健康増進活動を普及することを掲げ、スポーツの普及による健康づくりや、生活習慣病予防についての施策を積極的に行っています。

生命保険業界では、このような社会全体としての大きな動きと、テクノロジーを活用したインシュアテックという概念の登場とがタイミング的にマッチして、健康増進型保険の開発が積極的に推し進められているのです。

参考:生命保険協会 健康増進サポートプロジェクト

2年目社員・あい
2年目社員・あい
いつもダイエットが続かない!…って悩んでいる私みたいなOLにも、健康増進型保険はオススメかも♪

健康増進型保険の事例まとめ

住友生命「Vitality(バイタリティ)」

「Vitality(バイタリティ)」は、南アフリカの金融サービス会社・ディスカバリー社が世界17か国で販売していた話題の保険商品でした。

ディスカバリー社が保有する病気や死亡率に関するビッグデータ応用ノウハウと、日本のソフトバンク社が持つIT技術、そして、住友生命の保険販売ノウハウによって、国内では2018年7月に販売が開始しました。

この保険の最大の特徴は、腕時計型のウェアラブル端末などを利用し、食生活、血圧や血糖値などの健康診断、歩数、心拍数などの健康増進活動をポイント化し、保険料を増減させるという仕組み。

契約1年目の保険料は、Vitality健康プログラムを利用しない場合と比較し、その割引率は15%。さらに、健康増進への取組みを続けることで、割引率は最大30%にまで達します。

東京海上日動あんしん生命「あるく保険」

あるく保険は、東京海上日動あんしん生命保険とNTTドコモが共同で開発した商品で、その名の通り“歩くと保険料の一部が返ってくる 健康づくりを応援する医療保険”というキャッチコピーで販売されている医療保険です。

この医療保険に加入することで、ウェアラブル端末「MISFIT FLARE(ミスフィット フレア)」が貸し出され、1日平均8,000歩以上歩くと、半年ごとの達成状況に応じて2年後に所定の健康増進還付金を受け取ることができる仕組みになっています。

ウェアラブル端末は、スマートフォンアプリと連動し、歩数のチェックや体重を入力することで自己管理も行うことができます。

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命「じぶんと家族のおまもり」健康体料率特約

収入保障保険の「じぶんと家族のおまもり」には、喫煙状況や健康状態によって保険料が割引になる「健康体料率特約」が設けられています。

第一生命「ジャスト」健康診断割引特約

病気・ケガ・死亡に備える保険「ジャスト」には、健康診断割引特約を付けることが可能です。
これは、保険契約時に健康診断結果を提出すると保険料が割り引かれ、同時に体格指数(BMI)や血圧、血糖値などが基準を満たしていれば、さらに保険料が割引となる仕組になっています。保険料は、最大20%まで割引されます。

ネオファースト生命「からだプラス」

「からだプラス」は、健診データなど医療ビッグデータを組み合わせて「健康年齢」を算出し、更新の際に保険料に反映させる仕組みの保険です。

2年目社員・あい
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上記の各社商品は2019年2月現在の情報です。定期的に更新していきます♪

健康増進型保険がもたらすソリューションとは?

健康増進型保険は、保険加入者にとっては「保険料が安くなる」という大きなメリットがありますが、同時に保険会社にとってもメリットをもたらすとされています。

それは、健康増進型保険が、モラル・ハザードの問題を解決する可能性を秘めているからです。

生命保険業界における「モラル・ハザード」とは?

「モラル・ハザード」(モーラル・ハザードとも言います)とは、保険加入者が“保険に加入しているから”という安心から、逆に油断や不注意が生まれ、リスクの発生を促進させてしまうという考え方です。

リスクに備えて安心を提供する役目を持った保険会社にとって、このモラル・ハザードは切っても切れない問題です。

しかし、健康活動を促す仕組みを持った健康増進型保険が普及していけば、“保険に加入しているから、健康や生活習慣には気を付けなくてもいい”…という意識を持った契約者を減らすことができるのです。

当然、多くの加入者が健康を意識した生活を送れば、その結果、保険会社は保険金を支払う機会を減らすことができ、収益を高めることができます。

加入者にとっては、健康的な生活を送ることで保険料も安くなる訳ですから、互いにwin-winという訳です。

健康増進型保険にデメリットはない?

では、健康増進型保険がすべてにおいて万能かと言えば、決してそうではありません。

すでに健康ではない状態の人にとっては、健康増進型保険に加入することのメリットがなかったり、そもそも加入ができなかったりと、健康な人と健康ではない人との格差を生みやすい…という問題も指摘されています。

うっちー
うっちー
健康増進型保険を提案する場合、より一層、お客様の健康状態や健康習慣をしっかりヒヤリングした上で商品提案を行う必要がありますね。