働き方

AI失業前夜の保険業界…あと5年でなくなる仕事とは?

“AI失業”という言葉を言葉をご存知でしょうか?

AI失業とは、AI(人工知能)の進化による業務の生産性向上によって人間の仕事が奪われ、多くの失業者を生み出すこと指します。

特に事務仕事の多い金融業界とAIの相性は良く、銀行や保険会社では、AI導入による影響を大きく受けやすい業界と言われており、すでにメガバンク3行は、揃ってAIをはじめとするテクノロジーの活用によって大規模な人員削減を行うことを宣言。

実質上のリストラ予告に、毎年高い人気を誇っていた銀行が、就職人気ランキング上位からそろって下落してしまったことは記憶に新しいところです。

うっちー
うっちー
三井住友は2021年までに4,000人分、三菱UFJは2024までに9,500人分、みずほは2027年までに1万9,000人分もの業務量削減を宣言しているんです。

2年目社員・あい
2年目社員・あい
…え?う、うそでしょ?

そして、私たちの働く保険業界も、例に漏れず、AIをはじめとするテクノロジーの活用を積極的に推し進めているのをご存知でしょうか?

今、保険会社の経営陣のトップたちの関心事は、テクノロジーの活用によって画期的な保険商品・サービスの開発や業務効率化を図ること(=インシュアテック)です。

うっちー
うっちー
インシュアテックとは、保険(insurrance)+テクノロジー(Tecnology)の造語です。

日々、各社争うようにテクノロジーを活用したサービスの開発やITベンチャー企業との提携等を発表しています。

保険会社経営におけるテクノロジー戦略がいかに重要かは、当サイト『インシュアテック1年目の教科書』で紹介している各社の取り組みからも容易に理解することができるでしょう。

そこで今回は、AI失業にも恐れず、これからの保険業界で必要とされる人材になるために知っておくべき“保険業界、あと10年でなくなる仕事5つ”を紹介いたします!

2年目社員・あい
2年目社員・あい
あぁ…わたしたちの仕事もAIに奪われちゃうのかしら(;´・ω・)

保険業界…あと5年でなくなる5つの仕事

その①:カスタマーセンターオペレーター

すでに、一部の保険会社では、商品や保険手続きに関する問い合わせの対応の一部をロボット(=「チャットボット」)が行っています。

「チャットボット」とは、AIを活用した自動対話プログラムのこと。時間を問わず、しかも電話を繋がるのを待つこともないので、保険会社にとっても、顧客にとっても双方に大きなメリットとなります。

ゆくゆくは、「コールセンター」「カスタマ―センター」は、一切なくなってしまう可能性がありますし、少なくとも人員は削減されることは確実です。

また、最近では、チャットサービスを用意している保険会社や保険代理店が多数あります。
チャットは想像以上にレスポンスが早く、メッセージを入力したら即レスで欲しい回答が返ってきます。

しかも、チャットであれば、質問に対してさらに詳しい情報が掲載したURLリンクを紹介してくれて、一瞬にして電話だけでは聞くことができなかった情報も手に入ります。

チャット記録は、webで履歴が残るので、後で「言った、言わない」の話になるケースも減るでしょう。

三井住友海上では、部分的に、このチャットボットによる顧客対応がすでに開始しています。

その②:事故受付/保険金請求センタ―

24時間営業の事故受付センターは、技術の革新によってオペレーターが不要になります。

一般的な事故連絡であれば、スマートフォンなどを活用したweb入力でに完結することができます。webで簡単に保険金の請求ができれば、”電話がつながらない!”といったストレスもなくなるのです。

今後は、事故現場で不安になっている状況のお客様に対して、高度なレベルで安心や適切なアドバイスを提供できる“人間ならでは強み”をしっかりと兼ね備えたオペレーターのみが必要とされます。

また、急を要する自動車レッカーについては、最近ではスマホアプリを活用したGPS機能やテレマティクス保険(※)の普及によって、事故場所をwebで自動通知してくれるサービスなども一般化しつつあります。

事故に遭った当事者が、事故場所の住所がよく分からずにレッカー手配依頼に戸惑うシーンは現在でもよくあるようですが、それも全てwebが解決してくれるのです。

タクシーの配車をアプリ1つでできるように、わざわざ電話番号を調べて電話をしなくても、webアプリ1つで事故場所を通知してすぐにレッカーがかけつけてくれることも技術的には十分に想像がつきますね。

その③:事務員

専門性のない事務仕事は無くなります。

近年、「RPA(ロボティックプロセスオートメーション)」と呼ばれる、メールやエクセル、基幹システム等を利用した事務作業を、人間がPC端末を操作するとおりに操作するソフトウェアの導入によって、膨大な事務作業が自動化され、保険会社のバックオフィスでは人員の削減に成功しつつあります。

2018年は、大地震や豪雨など連続的に発生した大規模な災害によって、その保険金支払い額は、東日本大震災のそれを上回りました。

当然、保険会社は厳しい人員での対応が迫られ、対応遅延などのクレームも各社で発生しましたが、損害保険会社・最王手の損保ジャパン等は、このRPAを導入することで、支払対応の迅速化を進めることができました。

また、スマホ普及やwebアプリケーションの進化に伴い、書類のweb化が飛躍的に進めることができるため、特に保険業界のバックオフィスはその影響を大きく受けます。

というのも、自身で保険請求手続きをしたことがある方は分かると思いますが、保険業界では、様々なやりとりが書類で行われ、その煩わしさはハンパではありません。

保険請求の手続きの中には、保険金の支払担当者がすぐに行えばその日に発送できる書類を、わざわざ書類発送センターを経由し1週間かけて送られてくるような場合もあります。

保険会社全体としての運営効率化・最適化を図っているのですが、このように、ユーザビリティの面では最悪な一面もあるのが保険業界の現状です。

書類がweb化されれば、書類を送付したり管理したりするための人員やオフィスが不要になります。紙も不要になりエコ活動に繋がりますので、クリーンなイメージを大切にする保険会社としても、より積極的に進めていきたい施策の1つです。

その④:決済管理職

保険金の支払査定は、AIが行ってくれるようになります。

例えば、保険金の支払い基準は、それが適切な支払いかどうか?という観点で、客観的な根拠や過去の事例に基づいて判断するものです。

しかし、実際は、「あの管理職は承認の基準が甘い」とか「あの管理職は機嫌によって承認しない」とか、管理職の性格によってバラつきが出てきてしまいがちです。

そこで、支払いの査定業務にテクノロジーを活用すれば、過去の膨大なデータからスピーディーに適正な判断を下すことができるようになります。

権威を振りかざし、偉そうに判子を押しているだけのおじさん達には残念なお知らせですが、このような査定業務こそAIの得意分野なのです。

それを予感させるニュースとして、2018年7月、東京海上日動は、これまで2、3週間かかってきた支払業務ところを、最短でその日に支払うことを可能にするために、アメリカのインシュアテック自動車保険会社であるMetroMile(メトロマイル社)に出資して業務提携をするという発表がありました。

このようなスピーディなシステム構築が実現してしまえば…いえ、実現しようという動きが実際にある訳ですが、「上司から印鑑もらわなきゃ」「上司に承認もらわなきゃ」といった日常の工程は、ただ煩わしいだけ。

人間である管理職よりも査定の精度が高く、しかも超スピーディにこなすAIがあれば、決済管理職は不要となるのです。

その⑤:GNP営業の保険外交員

これまで”義理(G)・人情(N)・プレゼント(プレゼント)”と呼ばれる独特のスタイルを築き上げてきた保険営業の世界ですが、テクノロジーの進化によってこのような非効率な営業スタイルは不要となります。

すでに書類や印鑑の押印を大量に必要とする煩雑な申込手続きは、webですぐに完結することができるようになりつつあり、顧客の利便性は徐々に高まっています。

そして、今後はさらに保険プランの提案もAIが行ってくれるようになります。これからは保険会社がこれまで蓄積してきた膨大なデータから、顧客のライフプランに合った最適な保険プランをAIが提案してくれる時代になってゆくのです。

しつこい勧誘をされたり、めんどくさい手続きや人間関係を求められる人間ならではの保険営業は淘汰されていくのです。

これに対して、営業マンの方の中には、「お客様のオーダーに応じたライフプラン設計や保険商品の提案は、対面でないとできない!」と反論したい気持ちも分かりますが、そういった分野こそAIの得意分野なのです。

AIは、これまでの膨大な顧客データや年齢・収入に合わせ、より精密なリスク情報の提供や、より最適な保険商品を提案してくれるのです。

例えば、日本生命では、2019年4月より、営業職員向けの新たな機能を搭載したタブレット端末を導入予定です。このタブレット端末には、AIが搭載され、お客様のニーズや会話に合わせ、リアルタイムに適切な保険商品をおすすめできるよう営業の支援を行ってくれる仕組みを持っています。

日本生命では、保険営業を支援するツールとしてAIが活用されていますが、このようなレコメンド機能を顧客自身が使えるアプリケーションも登場しつつあります。

GNP営業中心の保険営業人口は次第に減ることはもちろん、コンサルティングと呼ばれる手法の保険営業ももはや必要なくなります。

今後は、サクッとスマホ1つで契約できてしまう保険会社、そして、”あなたから契約したい”と思われるような価値を提供できる保険営業マンだけが生き残れるのです。

AI失業、その一方で生まれるビジネスチャンス

ここまでは、テクノロジーの進化によってなくなる保険業界の仕事について紹介してきました。

営業マンがいなくなり、
電話オペレーターがいなくなり、
事務仕事をする人間がいなくなり、
決済をする管理職もいなくなってしまう…

保険業界の仕事は、このまますべてAIに奪われてしまうのでしょうか?

いえ、もちろん、そんなことはありません。

このインシュアテックは、ただ業務効率化を推し進め、人員削減をさせるだけではありません。

今、保険業界では、ビッグデータやAI技術の活用よって、これまでにはなかった画期的な保険商品が続々と販売開始しています。

さらに、保険サービスの一環として、事故や病気が発生しないよう未然に働きかけを行う動きも積極化し、接続可能が社会に向け、保険業界が担う役割も拡がりを増しています。
つまり、ビジネスチャンスは広がっているのです。

例えば…
●健康診断の結果によって最大30%保険料が割引される健康増進型保険「Vitality(バイタリティ)」(住友生命)
●1日平均8,000歩以上歩くと、達成状況に応じて2年後に健康増進還付金を受け取ることができる医療保険「あるく保険」(東京海上日動あんしん生命)
●専用端末で運転のスムーズさを計測し、安全運転の度合いによって保険料がキャッシュバックされるサービスを提供するソニー損保の自動車保険「やさしい運転キャッシュバック型」
…これらは、テクノロジーを活用した代表的なインシュアテック商品です。

生命保険分野における国内インシュアテックの市場規模は、2018年に690億円、そして、2021年には1,790億円(※)になるとも言われています。(※矢野経済研究所による調査より)

うっちー
うっちー
健康増進型保険やテレマティクス保険が、今後の保険商品のスタンダードになっていくことは間違いないですね!

AI失業、その一方で生まれる新たな業務

テクノロジーの進化に伴い、新たな業務も誕生していくと予想されています。

その一例をご紹介しましょう。

近年では、2022年を目途に進められる自動車の「自動運転化」に備え、自動運転の車が事故を起こした場合のサービス提供に備える保険会社も出始めてきました。

損保ジャパンは、2018年9月、専門の研究施設を東京都に開設し、事故時に遠隔で自動車を運転したり、オペレーターが事故対応を行い支援するサービスを提供することを計画していることを発表しました。

テクノロジーの進化によってなくなる仕事・減ってしまう仕事がある一方で、テクノロジーを活用したより専門性の高いサービス、そして、それを担う人材が生まれるのです。

さぁ、インシュアテックを学ぼう!

このようにAIやテクノロジーの進化インシュアテックがもたらすのは、劇的な生産性向上だけではありません。

技術の革新は、業務効率化による人員削減を推し進める一方で、新しい仕事・雇用も生み出す可能性を秘めているのです。

しかし、そのためには、保険業界ではたらくすべての人が、もっとテクノロジーについての正しい認識を持つ必要があります。

実際問題、テクノロジーを活用したサービスを開発している専門知識を持った一部の商品開発部署担当者と、そのサービスを実際に提供している現場社員とでは情報格差があり過ぎるのが現状です。

その結果、誤った情報が飛び交い、多くの従業員が働く保険会社の職場、そしてお客様たちが混乱するケースも珍しくありません。こういった問題は、ここ数年でインシュアテックが広まるほど顕著になるでしょう。

AIやテクノロジーを使いこなすのか?それとも、使われるのか?

今後わたしたちが働く保険業界では、テクノロジーに関する正しい知識・認識を持ち、それを正しく扱うことができる人材が求められているのです。

2年目社員・あい
2年目社員・あい
文系出身の私も、ちゃんとテクノロジーについて学ばなきゃ!
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