自然災害時における保険会社のテクノロジーの活用事例

当サイト『インシュアテック1年目の教科書』では、“保険×テクノロジー”の様々な事例について紹介しています。

2年目社員・あい
2年目社員・あい
ちなみに、「インシュアテック(InsurTech)」というキーワードは、保険(Insurance)とテクノロジー(Tecnology)の造語です。

今回は、保険会社の災害時におけるテクノロジーの活用事例をご紹介します!

保険会社と災害対応

2011年3月に発生した東日本大震災から、8年が経過しました。

昨年2018年は、大阪北部地震(6月18日)・西日本豪雨(6月28日~7月8日)・台風21号(9月3日~5日)・北海道胆振地震(9月6日)などの自然災害が相次いで発生。
一連の自然災害における損害保険会社の保険金支払い額は1兆円を超え、東日本大震災のそれをも超えるとされています。

そして、今後も南海トラフ地震首都直下型地震などの大災害の発生も予測されており、ライフラインである保険会社の役割はますます高まっています。

このような大災害が発生した場合、保険会社におけるリスクは、保険金の支払い金額が膨大になるだけではありません。

<災害時における保険会社の悩み>

問い合わせ・対応件数が膨大となり、人員が大幅に不足。
☞保険会社の対応が遅くなり、保険金の支払いが遅くなる。

大災害が発生し、保険会社のとある地域での対応件数が膨大になると、保険会社は、災害対策窓口を設置したり、余力のある日本全国の地域から人員の応援を要請します。

このような応援対応を行う人員は、普段は、他の地域・部署で別の業務を行っているため、大災害が発生したからといってすべての社員を災害対応に充てる訳にはいきません。

2018年に発生した一連の自然災害では、日本全国各地で相次いで自然災害が発生したため、各損害保険会社がその対応に苦慮しました。

保険会社の対応・支払いが遅くなれば、被災されたお客様から「何のための保険会社なんだ!」「保険なんて役に立たない!」と言われ、信用を失っても仕方ありません。

そこで、活躍が期待されているのが”テクノロジーの活用”なのです。

うっちー
うっちー
南海トラフ地震については、「マグニチュード8~9クラスの地震が30年以内に、70~80%の確率で発生する」と政府から発表されています。

参考:東日本大震災と保険会社の対応

東日本大震災による地震保険金の支払いは、 1兆2,749億円(※1)。また、死亡保険金の支払い保険金の総額は、1,599億3,445万円、支払い件数は、21,027件(※2)にも及びました。

そもそも死亡保険金には、もともと「災害免責」というものがあり、地震等の災害がきっかけにより亡くなった場合は、保険金の支払い対象外というルールがあります。

しかし、東日本大震災時は、日本国内のすべての生命保険会社が、この「災害免責」を適用せず、特例として保険金を支払ったことが話題となりました。

また、保険会社は、被災者の方に対し、毎月の保険料の支払いについて猶予期間を設けたりするなどの措置も行いました。

※1…出典:日本地震再保険株式会社調べ(2017年3月)
※2…出典:「東日本大震災に係る保険金のお支払件数・金額について(平成25年3月末時点)」/生命保険協会

保険会社の災害時におけるテクノロジーの活用事例

RPAによる事務作業自動化

“RPA(ロボティックプロセスオートメーション)”とは、メールやエクセルなど基幹システム等を利用した事務作業を、人間がPC端末を操作するとおりに操作するソフトウェアのことです。この導入によって、データ入力や計算、データ入手などの事務作業を自動化することが可能になります。

RPAは、すでにメガ損保でも取り入れられているので、2018年に発生した一連の自然災害対応にも大きな貢献を果たしたとされています。

事故受付のweb化・自動化

自然災害発生直後は、お客様が保険金請求をするための事故受付センター、商品に関する問い合わせ窓口のカスタマーセンターへの問い合わせが殺到します。

2018年に起きた自然災害でも、問い合わせをの電話をしても1日中オペレータ―に繋がらない…という問題も発生したとされています。

今後は、保険請求の手続きなども、電話ではなくスマートフォンによるweb請求へのシフトなど、web化・自動化が進むと予想されています。

損害調査におけるドローン・ビデオチャット活用

地震保険や火災保険は、保険金の支払いにあたって、被災場所の写真撮影や立ち合い調査が必要となります。

当然のことながら、地震や豪雨で被災地が荒れている状態では被災状況を証明できるものはなく、また立ち合いのための調査員の人員が足りなければ、保険金の支払作業が進まないことによって被災者の負担は大きくなります。

そこで、各損害保険会社では、被災地の調査にドローンやビデオチャットなどを活用し、支払いの迅速化を進めています。

例えば、ドローンは、被害エリアの特定・被害状況の把握・立ち入り困難な場所の撮影などに活用が可能です。

また、ビデオチャットは、専門的な知識が必要となり人員が不足しがちな損害調査員が現地に足を運ばなくても、現地にアルバイトを派遣しビデオチャットによる現地調査を行うことで、大幅なコストと時間を削減することが可能になるのです。