損害保険会社のインシュアテック


このページでは、損害保険会社のインシュアテックについて解説します!

インシュアテックが、損害保険業界でどのように活用されているのか?

損害保険業界が抱えている課題についても触れながら紹介していきます。

うっちー
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末尾には、日本国内の損害保険会社のインシュアテック取り組み事例へのリンクも貼っています。ぜひこのページをブックマークしてね♪

損害保険業界の現状

損害保険について

損害保険会社は、自動車保険・火災保険・地震保険・傷害保険・旅行保険等を扱っている保険会社です。

他にも、企業向けの保険として、賠償責任保険・貨物保険・航空保険・原子力保険等、実に様々な保険種類を取り扱っています。

個人の日常生活から企業活動における偶然な事故やトラブルなど、様々なリスクに備えるための保険が損害保険です。

相次ぐ自然災害と社会問題…損害保険業界の役割

近年、損害保険業界は、国内で相次ぐ自然災害や新たな技術革新に伴う対策として、その社会的な役割が増々高まっています。

昨年2018年の6~9月に発生した西日本豪雨、台風21号等の一連の災害における保険金支払い額は、1兆3,000億円を超えました。これは、東日本大震災(2011年3月)での保険金の支払い額・約1兆3,203億円を越えるとも言われています。

さらには、大阪北部地震(2018年6月)では1,033億円、北海道胆振東部地震(2018年9月)は338億円にも及んでいます。

今後も首都直下型地震や南海トラフ地震等の発生が想定されており、損害保険業界全体として自然災害時に備えた様々な対策を進めています。

また、自動車の自動運転化やインターネット普及に伴うサイバーリスク等、技術革新への対策、高齢化社会への対応にも積極的に取り組むなど、損害保険業界は、社会に欠かせないインフラとしての役割を果たしています。

※保険金支払い額は、日本損害保険協会のデータ(2018年12月20日発表)より。

損害保険分野におけるインシュアテック傾向

インシュアテックの導入によってもたらされるのは、主に、“画期的な保険商品やサービス”と“業務における生産性向上”です。

この2つの視点で、損害保険業界におけるインシュアテックのトレンドを解説いたします。

画期的な保険商品やサービス

トレンド①:テレマティクス保険

“テレマティクス”とは、「テレコミュニケーション(電気通信)」+「インフォマティックス(情報学)」の造語で、車などの移動体に搭載された通信機能を持ったものがテレマティクス技術です。

このテレマティクス技術を自動車保険に取り入れたものを、一般的にテレマティクス保険と呼んでいます。

テレマティクス保険の主な具体例としては、自動車に搭載されたセンサー(カーナビ等)が契約者の運転状況を把握することで、安全運転をしている人ほど保険料が安くなるなどの仕組みを持った保険商品が各社から次々と発売されています。

従来の自動車保険は、年齢・事故履歴・免許証の種類・車種等、大まかな情報だけで保険料が設定されていましたが、テレマティクス保険は、AIとビッグデータと呼ばれる膨大かつ複雑な情報の解析により、契約者によって個別の保険料を設定することを可能にしているのです。

また、別の保険会社では、事故時に衝撃を感知した端末が自動的に保険会社に通信を行い、事故対応をサポートするサービスを提供するなど、その種類は保険会社によって様々です。

テレマティクス保険について詳しく調べる

業務における生産性向上

トレンド①:RPAによる自動化

“RPA(ロボティックプロセスオートメーション)”とは、メールやエクセルなど基幹システム等を利用した事務作業を、人間がPC端末を操作するとおりに操作するソフトウェアのことです。

この導入によって、データ入力や計算、データ入手などの事務作業を自動化することが可能になります。

トレンド②:AIによる自動化

自動的な学習機能を持つAI(人工知能)を搭載したシステムの導入により、顧客対応やそのサポート業務を自動化することが可能です。

例えば、三井住友海上では、商品や保険手続きに関する問い合わせの対応の一部を、人間ではなく、ロボット(=「チャットボット」)が行っています。

ちなみにチャットボットとは、AIを活用した自動対話プログラムのことです。コールセンターの営業時間に関係なく問い合わせへの対応が可能になり、しかも、「電話オペレーターに繋がらない!」といったストレスもなくなるので、保険会社にとっても顧客にとっても双方に大きなメリットをもたらすことが期待されています。

また、損保ジャパン日本興亜では、音声認識機能を持つAIシステムをコールセンターに導入し、オペレータ―の業務をサポートするツールとして活用しています。

これは、音声認識によって通話内容をリアルタイムでテキスト化し、そのテキスト情報から、AIが最適な回答候補となる情報をオペレーターが使用するパソコンに表示させる機能を持っています。

保険の契約内容や手続きは、とても膨大で複雑なため、お客様を長時間お待たせしたり、誤案内によるトラブルを未然に防ぐ…といった効果が期待されています。

2年目社員・あい
2年目社員・あい
 カタカナが多くて難しいわね…。でも、「テレマティクス保険」や「RPA」は基礎知識だから、これを機会に覚えなきゃ!

損害保険業界の課題をインシュアテックで解決!

インシュアテックの大きなポイントの1つは、保険業界に存在する深~い問題をも解決する可能性を秘めていることです。

例えば、前述の「テレマティクス保険」は、お客様にとっては保険料が安くなるという大きなメリットがありますが、一方で、保険会社にとっても大きなメリットをもたらします。

というのも、保険業界には“モラル・ハザード”と呼ばれる問題があり、これは“保険に加入しているから”という安心から、逆に油断や不注意が生まれてしまい、事故発生の発生を促進させているという考え方です。

このモラル・ハザードは、保険業界にとっては切っても切れない根深く存在してきた問題ですが、テレマティクス保険の登場によって、事故発生防止の意識を高めることができると期待されています。(当然、保険会社としては、支払う保険金が減れば収益も増えるので、す推進したいことは言うまでもありません)

うっちー
うっちー
「テレマティクス保険」は、カーナビとセットで販売されている保険会社もあります。今、社会問題となっている“煽り運転”の不安からも、販売がさらに加速化していきそうですね。

また、RPAやAIにより業務の自動化・効率化は、これから増々大きな問題になるであろう労働力不足の問題も解決する可能性を秘めています。

昨年2018年は、損害保険会社は、自然災害の支払い対応に追われた1年となりましたが、その地域の担当者だけでは対応しきれないため、各保険会社は災害対策本部を置いて、全国から応援を受け入れるなどの体制をとったことは記憶に新しいところです。

RPAは、すでにメガ損保でも取り入れられているので、今回の一連の対応にも大きな貢献を果たしたとされています。

さらに、事故連絡をするための受付センター、商品に関する問い合わせ窓口のカスタマーセンターなどは、自然災害によって1日中オペレータ―に繋がらないという問題も発生しましたが、今後は、保険請求の手続きなども、web化・自動化が進むことで、今回のような問題を回避することが可能になるでしょう。

2年目社員・あい
2年目社員・あい
たしか先輩は、災害対応の応援で北海道に出張してたなぁ…。保険会社の災害対応は、本当に会社一丸となって対応しなきゃいけないものなのよね。

損害保険会社各社のインシュアテック事例