インシュアテックのトレンド:テレマティクス保険とは?

「テレマティクス保険」は、国内インシュアテック市場においてもっとも象徴的な保険商品の1つです。

すでに各社から続々販売が開始しており、2019年1月には、大手損害保険会社4社のラインナップが出そろいました。

また、各損害保険会社では、まもなくやってくる自動運転化社会に備え、このテレマティクス保険をさらに進化させる動きもあります。

テレマティクス保険が、今後の自動車保険のスタンダードになっていくことは間違いありません。

うっちー
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そもそも「テレマティクス保険」ってなに?

テレマティクス保険とは?

“テレマティクス”とは、「テレコミュニケーション(電気通信)」+「インフォマティックス(情報学)」の造語で、車などの移動体に搭載された通信機能を持ったものがテレマティクス技術です。

このテレマティクス技術を自動車保険に取り入れたものを、一般的に、テレマティクス保険と呼んでいます。

テレマティクス保険の大きな特徴は、自動車に搭載されたセンサー(主にドライブレコーダー等)によって運転者の運転データを分析・把握し、そのデータを保険サービスに反映させる仕組みを持っている点です。

保険会社によって提供しているサービスは少しずつ異なりますが、テレマティクス保険の代表的な機能は、以下の3つに大別することができます。

テレマティクス保険の特徴

事故時にセンサーが衝撃を感知して、保険会社に自動的に事故発生を知らせ、保険会社が現場対応を支援する

センサーが運転者の運転データを計測し、安全運転をするためのアドバイスを行う

センサーが運転者の運転データを計測し、安全運転をしている人は、保険料の割引サービスを受けることができる

ただし、各保険会社のテレマティクス保険が、これら3つの機能をすべて網羅しているとは限りません。

“センサー”についても、そのタイプは保険会社によって異なり、ドライブレコーダーに通信機能や振動を感知する機能を搭載したタイプや、ドライブレコーダー以外のセンサーを使用するタイプなどがあります。

また、専用のスマートホンアプリと連携することで、よりサービスを拡充させる仕組みを持つ商品が多いのも特徴です。

PAYD型とPHYD型

テレマティクス保険には、「PAYD型」「PHYD型」があります。

「PAYD型」は、「Pay As You Drive」の略で、実際に走行した距離を基に保険料を算出する仕組みの自動車保険のこと。
今から15年前、2004年に、あいおいニッセイ同和損保からすでに販売が開始され、その後、各保険会社が販売を始めていました。

一方、「PHYD型」は、「Pay How You Drive」の略。自動車に搭載されているセンサーによって、速度や加減速、ハンドル操作といった運転傾向のデータを収集・解析し、保険料を算出する仕組みの自動車保険のことを指します。
こちらは2015年、ソニー損保から国内で初めて販売が開始されました。

PAYD型にしてもPHYD型にしても、従来の自動車保険は、年齢・事故履歴・免許証の種類・車種等、大まかな情報だけで保険料が設定されていましたが、テレマティクス技術の活用により、契約者によって個別の保険料を設定することが可能になったのです。

2年目社員・あい
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テレマティクス保険は、15年も前から日本で販売されていたのね!

広義のテレマティクス保険・狭義のテレマティクス保険

テレマティクス保険と言うと、上記に紹介した“テレマティクス技術を取り入れた自動車保険”のことを指すケースが一般的です。

しかし、テレマティクス技術を活用した保険商品は、自動車保険に限りません。

例えば、ウェアラブル端末(身体に身に着けるタイプのセンサー)から得られるデータを、生命保険・医療保険などの保険料に反映させる保険商品もテレマティクス保険の一種で、一般的に、健康増進型保険と呼ばれています。

健康増進型保険について詳しく調べる

そのため、このページで紹介している“テレマティクス技術を取り入れた自動車保険”のことを、他のテレマティクス保険と区別するために「テレマティクス自動車保険」と記載している雑誌・新聞記事などもあります。

とは言え、日本国内で販売しているテレマティクス保険は、現状では自動車保険が主流となるため、テレマティクス保険=テレマティクス自動車保険と混同して呼ぶケースが多いのも事実です。

つまり、「テレマティクス保険」とは、広義では、テレマティクス技術を取り入れた損害保険商品や生命保険商品のことを指し、狭義では、テレマティクス技術を取り入れた自動車保険のことを指すのです。

うっちー
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このサイトでも、基本的には、テレマティクス保険=テレマティクス自動車保険と表記しています 。

テレマティクス保険がもたらすソリューションとは?

自動車保険業界におけるモラル・ハザード

保険業界には、“モラル・ハザード”と呼ばれる、古くから根深く存在してきた問題があります。

モラル・ハザードとは、“保険に加入しているから”という安心から、逆に油断や不注意が生まれてしまい、事故発生の発生を促進させているという考え方です。

しかし、テレマティクス保険の登場によって、安全運転を意識するほど保険料が安くなるといった顧客への大きなメリットもあることから、事故発生防止の意識を高めることができると期待されています。

保険会社側としても、事故が減り、支払う保険金が減れば、収益も増えるのでお互いにwin-winという訳です。

自動運転化社会への対応

現在、政府や自動車メーカー等は、自動車の自動運転化に向けた技術開発・体制整備を急ピッチに進めています。

トヨタは、来年2020年に開催される東京オリンピックで、“自動運転レベル4”の自動運転車を披露することを発表しています。

ちなみに“自動運転レベル4”とは、限定されたエリア内で運転手が不要となる状態。

いよいよやってくる大きな社会変化に対し、自動車保険業界全体で迅速な対応が求められ、各保険会社では、自動運転の車が事故を起こした場合に備えた保険商品の開発、サービスや対応の検討が実施されています。

例えば、損保ジャパン日本興亜は、専門の研究施設を中野(東京)に開設し、事故時に遠隔で自動車を運転したり、オペレーターが事故対応を行い支援するサービスを計画していることを発表しています。

2年目社員・あい
2年目社員・あい
今、問題になっている“煽(あお)り運転”への対策としても、ドライブレコーダー型のテレマティクス保険は人気みたいね!

テレマティクス自動車保険の事例まとめ

うっちー
うっちー
最後に、各保険会社のテレマティクス保険の特徴をカンタンに説明いたします。

東京海上日動:ドライブエージェント パーソナル

ドライブエージェントパーソナルは、東京海上日動とパイオニア社が共同開発したドライブレコーダー端末のことです。

このドライブレコーダー端末には、通信やGPS機能を搭載しており、事故によってドライブレコーダー端末が衝撃を検知すると、自動的に東京海上日動の事故受付センターに連絡を行い、必要に応じて救急車の手配や事故の受付を行うことができます。GPS機能が付いているため、レッカーが必要な場合の事故場所特定もスムーズに行うことができます。

また、衝撃を受けた際は、ドライブレコーダーの記録映像が自動的に東京海上日動に送信されるので、保険会社としても責任割合の判断・示談交渉の材料がスピーディーに揃うなど、高度な事故対応が期待されます。

さらに、事故が発生した危険地点の接近や片寄り走行・前方車両の接近を警告してくれる事故防止機能や、運転特性などをレポードする安全運転支援の機能なども搭載しています。

このドライブエージェントは、東京海上日動の自動車保険に650円の特約を付加することで、無料でドライブレコーダー端末が貸し出され使用することができます。


東京海上日動 ドライブエージェント パーソナル公式ページ

損害保険ジャパン日本興亜:DRIVING!(ドライビング!)

「DRIVING!(ドライビング!)」も、東京海上日動のドライブエージェントと同様に、ドライブレコーダー端末を使用した運転支援サービスです。

主力商品である「THEクルマの保険」に、「ドライブレコーダーによる事故発生時の通知等に関する特約」(毎月850円)を付けることで、ドライブレコーダー端末を使用することができます。

専用のドライブレコーダーによる運転時や事故時のサポート機能を搭載し、ドライブレコーダーには、車間距離が一定以上になると通知される注意喚起のアラート機能や、事故時に強い衝撃を感知すると自動で損保ジャパン日本興亜に通報する仕組みとなっています。

また、あらかじめ登録した家族に事故があったことを自動もしくは手動で通知することができる機能や、運転手の携帯にショートメッセージが送信され、スムーズにロードサービスやその他のサービスを依頼したり、必要に応じてALSOK(アルソック)のガードマンが現場にかけつけるなど、事故時のサービスが手厚いのも特徴です。

その他にも、運転診断レポートや、スマートホンアプリと連携した機能などもあります。


▶損保ジャパン日本興亜 ドライビング!公式ページ

三井住友海上火災保険:GK見守るクルマの保険(ドラレコ型)

「GK見守るクルマの保険(ドラレコ型)」は、ドライブレコーダー端末を使用した運転支援サービスです。
主力商品である『GKクルマの保険』に「ドライブレコーダーによる事故発生の通知等に関する特約」を付けることで、ドライブレコーダー端末を使用することができます。

特徴は、前述の2社と同様で、ドライブレコーダー端末が衝撃を感知すると自動で保険会社に通報される仕組みになっています。

そして、三井住友海上の専用安否確認デスクに電話が繋がると、オペレータ―は専用ドライブレコーダーを通じて安否確認コールを行い、事故対応のアドバイスを行います。

また、ドライブレコーダーには、安全運転支援機能もあり、前方衝突、車線逸脱、高速道路逆走注意など様々なシーンを想定したアラート機能を搭載しています。


▶三井住友海上火災保険:GK見守るクルマの保険(ドラレコ型)公式ページ

あいおいニッセイ同和損保:タフ・見守るクルマの保険(ドラレコ型)


画像:あいおいニッセイ同和損保公式HPより

「タフ・見守るクルマの保険(ドラレコ型)」は、主力商品である「タフ・クルマの保険」に、「ドライブレコーダーによる事故発生の通知等に関する特約」または「事故発生の通知等に関する特約」(毎月850円)を付けることで、ドライブレコーダー端末を使用することができます。

保険会社から貸し出されるドライブレコーダー端末には、“テレマティクス”(※)と呼ばれる通信やGPS機能を搭載しており、事故によってドライブレコーダー端末が強い衝撃を検知すると、自動的にあいおいニッセイ同和損保に通知される仕組みになっています。

そして、あいおいニッセイ同和損保の事故受付センターからドライブレコーダーに安否確認のコールが来て、現場の事故対応をサポートします。

(※)▶「テレマティクス(保険)」について詳しく調べる

また、安全運転支援の機能として、運転診断レポートや、車線逸脱や前方車両への接近・高速道路での逆走・日常的に使用しない道路の走行に対して注意喚起するアラート機能も搭載しています。

あいおいニッセイ同和損保:タフ・見守るクルマの保険(スマホ型)


画像:あいおいニッセイ同和損保公式HPより

「タフ・見守るクルマの保険(スマホ型)」は、主力商品である「タフ・クルマの保険」に、「事故発生の通知等に関する特約」(毎月300円)を付けることで、専用の車載器を使用することができます。

保険会社から貸し出される専用車載器とスマートフォンを連動させることで、安全運転をサポートする安全運転支援アラート機能運転診断レポート機能を利用することが可能になります。

また、事故によって専用車載器が強い衝撃を検知すると、自動的にあいおいニッセイ同和損保に通知される仕組みになっていて、あいおいニッセイ同和損保の事故受付センターから事前に登録されている携帯番号に安否確認のコールが来て、現場の事故対応をサポートします。

すでにドライブレコーダーを使用しているドライバー向けの保険商品と言えるでしょう。

あいおいニッセイ同和損保:タフ・つながるクルマの保険


画像:あいおいニッセイ同和損保公式HPより

「タフ・つながるクルマの保険」も、上記の「タフ・見守るクルマの保険」(ドラレコ型/スマホ型)と同様、テレマティクス保険の一種です。

この「タフ・つながるクルマの保険」の大きな特徴は、車に装備された指定のカーナビゲーションから、指定の車載通信機/DCM(※)を通じて車両の走行距離や運転特性を取得し、毎月レポートされる安全運転スコアの点数が高ければ、保険料が割引される仕組みを持っています。
(※Data Communication Moduleの略で音声通話や高速データ通信等を可能にする車専用通信機器のこと)

また、事故時は、車が大きな衝撃を感知すると保険会社に通知され、保険会社から事前に指定された連絡先へ安否確認のコールが入り、事故対応のサポートをしてくれる仕組みも持っています。

ソニー損保:やさしい運転キャッシュバック型

2015年2月に販売が開始された、国内初のPHYD型テレマティクス保険です。

ソニー損保とオプテックス社が共同開発した「ドライブカウンタ」を契約車両に設置(工事不要)することで、“運転のスムーズさ”の計測をし、安全運転の度合いによって保険料がキャッシュバックされる仕組みになっています。

「ドライブカウンタ」は、急発進の少ない、ふんわりアクセル、急ブレーキの少ない、なめらかなブレーキがよい評価につながります。


ソニー損保:やさしい運転キャッシュバック型 公式ページ

 

 

2年目社員・あい
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上記の各社商品は2019年2月現在の情報です。定期的に更新していきます♪